全史料協2010年大会の感想(中) 個別報告その1
全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)の2010年大会が11月24,25日に京都で行われました。
http://www.jsai.jp/taikai/kyoto/index.html
感想の(上)はこちら。
感想の続き。今回は個別報告。
○竹永三男「近現代史研究と文書館―利用者の立場からの一つの文書館論―」
竹永氏は日本近代史研究者。部落問題から始まって、各地の行き倒れる人(行旅病人)などの研究をされている。
そのために、各地方文書館のヘビーユーザーでもある。
利用者の立場からアーカイブズ問題にきちんと発言のできる数少ない研究者の一人だと思う。
私と同じく、利用者から発言をされている方だけれども、私は国(特に宮内庁)に限定されているのに対し、竹永氏は各地の文書館での経験をお持ちなので、どのような話をされるのか非常に楽しみにしていた。
今回の報告は、竹永氏本人が行った全国の都道府県立の文書館(+それに類する機関)計37館にとったアンケートの結果報告と、それに基づくコメントであった。
この内容はなかなか刺激的であった。
例えば、文書の「公開制限に関する明文規程の有無(公開の有無も)」を聞いた設問では、37館のうち12館が規程を「非公表」としており、公表している館でもウェブ上に載せているのは17館に留まっていた。
また、非公開文書の場合、目録にすら載せていないという館が9館あった。
他にも色々とあったのだが、全ては紹介しきれないので略します。
この竹永氏の報告のすごさは、上記したデータを館名を隠さずに全て一覧として公表したことにある。
つまり、どの館が公開制限の理由を公表していないのかが、一目でわかってしまうのだ。
おそらく、この回答をした館側も、こういった比較表として使われるとは思ってなかったのではないか。
さて、竹永氏はこの表を用いながら、いくつかの提言を行った。私なりにまとめてみると
・文書館側が利用者(住民)に「説明責任」を果たしているのか?非公開理由などの明確化などをきちんとするべき。
・「見せてはいけないものを選別する」から「どうしたら見せられるか」を、利用者と文書館が対話しながら模索していくべき。
・公開した際のリスク(人権侵害など)は文書館側だけが責任を負うのではなく、利用者も負うような仕組みを考える必要。
・館を超えた横断検索システムを推進するべき。研究者だけでなく行政利用としても有用では。
・アーカイブズの情報をもっと「資源化」していくことが必要。出張講座や地元大学との連携などを強化していくべき。
これらは、私の主張にもかぶるところが大きい。
たぶん私が壇上にいても同じようなことを言っただろうと思うぐらい、意見がかぶっている。
やはり、利用者として携わっていると、こういうところが気になるよなという基本的なところが押さえられていたと思う。
また、部落問題などを研究されていることもあり、人権侵害などの問題についてもきちんと考えられている。
ただ、この竹永報告に対する会場の反応は「いまいち」であったと思わざるを得ない。
質疑応答を聞いていても、あまり建設的な反応がないなあと思って、正直私としては欲求不満がたまった。
私は近年、昭和天皇の戦後巡幸(敗戦直後の全国旅行)の研究をしているため、全都道府県の文書館の有無も含めた情報をウェブで集めたことがある。
その時に、ウェブで目録を検索できないところが多いというシステム的な問題以前として、「利用規則が公開されていない」「複写料金の表示がない」「利用制限規程があるのかすらわからない」などといった、利用する際の基本的な事項すらも載っていないウェブサイトが非常に多かったということに気づいて愕然となったことを覚えている。
その後、文書館の関係者の方に、「なぜ利用制限規程、というかそもそも公開するか否かの「審査基準」を公開していないのか?」ということを、何人かの人に聞いたことがあるが、一様に「わかるんだけどね・・・」といって困った顔を返されるというのが常であった。文書館の属する部署の上層部がいい顔をしないみたいなことも言われたことがある。
でも、これは都道府県立の文書館なら「しなければならない」ことであるはずだ。
文書館の関係者の方は、よく「住民から必要性を理解されない」と言う。
だが、そもそも自分たちの機関とは何であり、どのような業務をしているのかという説明責任を尽くさない機関が、住民に理解されるということは「ありえない」とは思わないだろうか。
そして、こういった規則を「公表する」ということは、ただ単に「自分の館に来てもらえれば見せます」「ウェブに規則は載せてあります」というレベルでは済まない。
そもそも、よほど文書館制度に詳しい人でない限り、「規則」をそのまま載せただけで、その内容を十全に理解されることは基本的に無理だと思う。
もし「理解してほしい」ならば、「公表の仕方」というのも重要になるはずだ。わかりやすく規則を説明するようなことも必要だろう。
なお、よく歴史研究者が、非公開の文書を「見せろ」と要求してきて困るみたいなことも聞く。
これは、歴史研究者の文書館業務に対する無理解という問題もあるが、その一方で、その無茶を言う人たちに「わかってもらう」努力を文書館の側が尽くしてきたのだろうか。(もちろん歴史研究者の側の責任を転嫁する意図はない。)
こういうことを書くと、「外部の事情もわからん奴が何を言うか。私たちは多忙な中で頑張ってるんだ」みたいなことを思う人もいるだろう。実際に竹永氏にそういう反発をしていた人がいた。
だが、竹永氏は「だから対話をしよう」と言っておられたのだ。そこは汲み取るべきだと思う。
理解者をまわりに増やしていくことは、究極的には文書館の社会的な立場の向上につながっていくはずだ。
その点に手間をかけることを惜しむのは本末転倒だと思う。
なお、全史料協は、この竹永報告で使われていたアンケートの結果を、会誌にすべて余さず載せて、会員間の問題の共有化を図るべきだと思う。
こういったことは隠してはいけない。
この竹永氏の報告を元に、状況がより良い方向に進むことを期待したい。
○井上真琴「目撃せよ!紙片が宝に変わる瞬間(とき)―図書館員のアーカイブ資料探検」
井上報告については、「図書館史勉強会@関西」のブログで詳細に紹介されていますのでそちらを参考にしてください。
ただ、視点が私とは少し違うので、違う部分について補足。
井上氏は、同志社大学図書館に勤務されている方である(正確には企画部所属)。
そして、報告では、図書館の中に保存されていた「アーカイブ資料」(竹林熊彦(図書館史研究者)資料など)を整理した体験について述べておられた。
基本的に、アーカイブ資料の整理の仕方と、図書館司書の資料整理の仕方は大きく異なるので、多くの図書館ではアーカイブズ資料をもてあまして放置する傾向がある。
井上氏がとりあげた竹林の資料も、40年近く図書館に放置されていたものだった。
しかし、この竹林の文書には、研究時に集めたと思われる田中稲城初代帝国図書館長の私文書が大量に含まれていた。そのため、以前から資料を見に来る人がいたようである。
井上氏は、図書館史としても重要な資料であると考え、「これは整理する必要がある」と感じ、外国の大学アーカイブズについての実地調査を行った。
その結果、井上氏は、とにかく「イニシャル・インベントリー」(Initial Inventory、初期目録)を整備することを最優先にするという考え方を取るに至った。
そのために、「研究」に深入りしないことや、あとで専門のアーキビストを置かないので、Finding Aids(利用マニュアル)をしっかりと作るということを意識的に行ったという。
私は、東京に帰ってきてから、実際の竹林文庫の目録を少し使ってみたが、「アーキビスト注記」の欄に、資料の内容についての情報がそれなりに書かれているので、それほどわかりにくいという感じではない。
もちろん、もっと充実していれば良いのにと思わないわけでもないが、十分に使用に耐えるのではと思う。
もっとも、量も3000点ぐらいなので、歴史研究者で本人に興味があれば、検索を使わず、隅から隅まで目録は見るだろう。
なお、全国各地の図書館には、館内に放置されたアーカイブ資料はけっこうあると思う。
図書と違うからどのように整理するかわからず、場合によっては捨てられていることもあると聞く。
私の大学の図書館でも、「ある先生が持ち込んだんだけど、どうしようか困ってとりあえず置きっぱなしにしてある」という資料の固まりを見たことがある。
コンサルタントを雇うという手法も含め、他の図書館にどこまで応用できるかわからないが、井上氏の試みは非常に面白いと思う。
会場で意見をおっしゃる方がいたが、図書館もiPadなどの電子書籍の導入で、機能が大きく変わっていく可能性がある。その中で、アーカイブズ資料の保存というのも、担う対象として認識されていく可能性があるのかもしれない。
それに、昨今では「MLA連携」(博物館、図書館、文書館連携)という言葉が飛び交うことが多くなってきている。
その意味でも、井上氏の報告は、さまざまな「可能性」を考えさせるものであった。
あと、余談ではあるが、井上氏は「マネジメント能力が高い人だな」という印象を持った。
例えば、「整理のための予算の取り方」について質問されたときに、「本当に予算がほしければ5年ぐらい前から案だけは出しておいて、そこまで毎年言ってくるなら仕方ねえなあと思わせられればOK」みたいな答え方をしていたのが印象的。
とりあえず思いついたら予算案を提出しておき、数年経ったら本気で狙いにいくみたいな話だけど、要するに「戦略的」であれと言っている。
こういったマネジメント能力を持った人をどう育てるのかということも、アーカイブズ業界は少し考えた方がよいように思う。
「専門家」を育てると、どうしても「専門技術の習得」ばかりに眼が行きがちな所がある。
でも、もっと全体のバランスを考えながら、どのように施設を運営していくのかという能力は、専門家には結構重要なのではないかなあと思うのだ。
マネジメントは、別にそれを専門とする人がやればという意見もあるだろうが、現場の人間にその知見があるだけでも、運営に大きな差が出てくると思う。
もちろん「どう育てるのか」というのは私にも答えがあるわけではないが、頭の隅に置いていても良いことのような気がする。
(下)に続く。
早川・冨永報告については、まとめと共に(下)にて記載する。
http://www.jsai.jp/taikai/kyoto/index.html
感想の(上)はこちら。
感想の続き。今回は個別報告。
○竹永三男「近現代史研究と文書館―利用者の立場からの一つの文書館論―」
竹永氏は日本近代史研究者。部落問題から始まって、各地の行き倒れる人(行旅病人)などの研究をされている。
そのために、各地方文書館のヘビーユーザーでもある。
利用者の立場からアーカイブズ問題にきちんと発言のできる数少ない研究者の一人だと思う。
私と同じく、利用者から発言をされている方だけれども、私は国(特に宮内庁)に限定されているのに対し、竹永氏は各地の文書館での経験をお持ちなので、どのような話をされるのか非常に楽しみにしていた。
今回の報告は、竹永氏本人が行った全国の都道府県立の文書館(+それに類する機関)計37館にとったアンケートの結果報告と、それに基づくコメントであった。
この内容はなかなか刺激的であった。
例えば、文書の「公開制限に関する明文規程の有無(公開の有無も)」を聞いた設問では、37館のうち12館が規程を「非公表」としており、公表している館でもウェブ上に載せているのは17館に留まっていた。
また、非公開文書の場合、目録にすら載せていないという館が9館あった。
他にも色々とあったのだが、全ては紹介しきれないので略します。
この竹永氏の報告のすごさは、上記したデータを館名を隠さずに全て一覧として公表したことにある。
つまり、どの館が公開制限の理由を公表していないのかが、一目でわかってしまうのだ。
おそらく、この回答をした館側も、こういった比較表として使われるとは思ってなかったのではないか。
さて、竹永氏はこの表を用いながら、いくつかの提言を行った。私なりにまとめてみると
・文書館側が利用者(住民)に「説明責任」を果たしているのか?非公開理由などの明確化などをきちんとするべき。
・「見せてはいけないものを選別する」から「どうしたら見せられるか」を、利用者と文書館が対話しながら模索していくべき。
・公開した際のリスク(人権侵害など)は文書館側だけが責任を負うのではなく、利用者も負うような仕組みを考える必要。
・館を超えた横断検索システムを推進するべき。研究者だけでなく行政利用としても有用では。
・アーカイブズの情報をもっと「資源化」していくことが必要。出張講座や地元大学との連携などを強化していくべき。
これらは、私の主張にもかぶるところが大きい。
たぶん私が壇上にいても同じようなことを言っただろうと思うぐらい、意見がかぶっている。
やはり、利用者として携わっていると、こういうところが気になるよなという基本的なところが押さえられていたと思う。
また、部落問題などを研究されていることもあり、人権侵害などの問題についてもきちんと考えられている。
ただ、この竹永報告に対する会場の反応は「いまいち」であったと思わざるを得ない。
質疑応答を聞いていても、あまり建設的な反応がないなあと思って、正直私としては欲求不満がたまった。
私は近年、昭和天皇の戦後巡幸(敗戦直後の全国旅行)の研究をしているため、全都道府県の文書館の有無も含めた情報をウェブで集めたことがある。
その時に、ウェブで目録を検索できないところが多いというシステム的な問題以前として、「利用規則が公開されていない」「複写料金の表示がない」「利用制限規程があるのかすらわからない」などといった、利用する際の基本的な事項すらも載っていないウェブサイトが非常に多かったということに気づいて愕然となったことを覚えている。
その後、文書館の関係者の方に、「なぜ利用制限規程、というかそもそも公開するか否かの「審査基準」を公開していないのか?」ということを、何人かの人に聞いたことがあるが、一様に「わかるんだけどね・・・」といって困った顔を返されるというのが常であった。文書館の属する部署の上層部がいい顔をしないみたいなことも言われたことがある。
でも、これは都道府県立の文書館なら「しなければならない」ことであるはずだ。
文書館の関係者の方は、よく「住民から必要性を理解されない」と言う。
だが、そもそも自分たちの機関とは何であり、どのような業務をしているのかという説明責任を尽くさない機関が、住民に理解されるということは「ありえない」とは思わないだろうか。
そして、こういった規則を「公表する」ということは、ただ単に「自分の館に来てもらえれば見せます」「ウェブに規則は載せてあります」というレベルでは済まない。
そもそも、よほど文書館制度に詳しい人でない限り、「規則」をそのまま載せただけで、その内容を十全に理解されることは基本的に無理だと思う。
もし「理解してほしい」ならば、「公表の仕方」というのも重要になるはずだ。わかりやすく規則を説明するようなことも必要だろう。
なお、よく歴史研究者が、非公開の文書を「見せろ」と要求してきて困るみたいなことも聞く。
これは、歴史研究者の文書館業務に対する無理解という問題もあるが、その一方で、その無茶を言う人たちに「わかってもらう」努力を文書館の側が尽くしてきたのだろうか。(もちろん歴史研究者の側の責任を転嫁する意図はない。)
こういうことを書くと、「外部の事情もわからん奴が何を言うか。私たちは多忙な中で頑張ってるんだ」みたいなことを思う人もいるだろう。実際に竹永氏にそういう反発をしていた人がいた。
だが、竹永氏は「だから対話をしよう」と言っておられたのだ。そこは汲み取るべきだと思う。
理解者をまわりに増やしていくことは、究極的には文書館の社会的な立場の向上につながっていくはずだ。
その点に手間をかけることを惜しむのは本末転倒だと思う。
なお、全史料協は、この竹永報告で使われていたアンケートの結果を、会誌にすべて余さず載せて、会員間の問題の共有化を図るべきだと思う。
こういったことは隠してはいけない。
この竹永氏の報告を元に、状況がより良い方向に進むことを期待したい。
○井上真琴「目撃せよ!紙片が宝に変わる瞬間(とき)―図書館員のアーカイブ資料探検」
井上報告については、「図書館史勉強会@関西」のブログで詳細に紹介されていますのでそちらを参考にしてください。
ただ、視点が私とは少し違うので、違う部分について補足。
井上氏は、同志社大学図書館に勤務されている方である(正確には企画部所属)。
そして、報告では、図書館の中に保存されていた「アーカイブ資料」(竹林熊彦(図書館史研究者)資料など)を整理した体験について述べておられた。
基本的に、アーカイブ資料の整理の仕方と、図書館司書の資料整理の仕方は大きく異なるので、多くの図書館ではアーカイブズ資料をもてあまして放置する傾向がある。
井上氏がとりあげた竹林の資料も、40年近く図書館に放置されていたものだった。
しかし、この竹林の文書には、研究時に集めたと思われる田中稲城初代帝国図書館長の私文書が大量に含まれていた。そのため、以前から資料を見に来る人がいたようである。
井上氏は、図書館史としても重要な資料であると考え、「これは整理する必要がある」と感じ、外国の大学アーカイブズについての実地調査を行った。
その結果、井上氏は、とにかく「イニシャル・インベントリー」(Initial Inventory、初期目録)を整備することを最優先にするという考え方を取るに至った。
そのために、「研究」に深入りしないことや、あとで専門のアーキビストを置かないので、Finding Aids(利用マニュアル)をしっかりと作るということを意識的に行ったという。
私は、東京に帰ってきてから、実際の竹林文庫の目録を少し使ってみたが、「アーキビスト注記」の欄に、資料の内容についての情報がそれなりに書かれているので、それほどわかりにくいという感じではない。
もちろん、もっと充実していれば良いのにと思わないわけでもないが、十分に使用に耐えるのではと思う。
もっとも、量も3000点ぐらいなので、歴史研究者で本人に興味があれば、検索を使わず、隅から隅まで目録は見るだろう。
なお、全国各地の図書館には、館内に放置されたアーカイブ資料はけっこうあると思う。
図書と違うからどのように整理するかわからず、場合によっては捨てられていることもあると聞く。
私の大学の図書館でも、「ある先生が持ち込んだんだけど、どうしようか困ってとりあえず置きっぱなしにしてある」という資料の固まりを見たことがある。
コンサルタントを雇うという手法も含め、他の図書館にどこまで応用できるかわからないが、井上氏の試みは非常に面白いと思う。
会場で意見をおっしゃる方がいたが、図書館もiPadなどの電子書籍の導入で、機能が大きく変わっていく可能性がある。その中で、アーカイブズ資料の保存というのも、担う対象として認識されていく可能性があるのかもしれない。
それに、昨今では「MLA連携」(博物館、図書館、文書館連携)という言葉が飛び交うことが多くなってきている。
その意味でも、井上氏の報告は、さまざまな「可能性」を考えさせるものであった。
あと、余談ではあるが、井上氏は「マネジメント能力が高い人だな」という印象を持った。
例えば、「整理のための予算の取り方」について質問されたときに、「本当に予算がほしければ5年ぐらい前から案だけは出しておいて、そこまで毎年言ってくるなら仕方ねえなあと思わせられればOK」みたいな答え方をしていたのが印象的。
とりあえず思いついたら予算案を提出しておき、数年経ったら本気で狙いにいくみたいな話だけど、要するに「戦略的」であれと言っている。
こういったマネジメント能力を持った人をどう育てるのかということも、アーカイブズ業界は少し考えた方がよいように思う。
「専門家」を育てると、どうしても「専門技術の習得」ばかりに眼が行きがちな所がある。
でも、もっと全体のバランスを考えながら、どのように施設を運営していくのかという能力は、専門家には結構重要なのではないかなあと思うのだ。
マネジメントは、別にそれを専門とする人がやればという意見もあるだろうが、現場の人間にその知見があるだけでも、運営に大きな差が出てくると思う。
もちろん「どう育てるのか」というのは私にも答えがあるわけではないが、頭の隅に置いていても良いことのような気がする。
(下)に続く。
早川・冨永報告については、まとめと共に(下)にて記載する。
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